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2006年8月12日 (土)

世の中の全員が賛成してくれることはありません。たとえそれが正義のため安全のためであろうと、必ず自分の都合だけで文句を言う人は出てきます

 坂井優基『パイロットが空から学んだ危機管理術』インデックス・コミュニケーションズ、2006年5月、p52 このタイトルのことばに続けて「世の中すべての人に、いい顔はできません。安全のためであれば駄目は駄目と、きっぱりとすることが大切です。」と続く。

 ひとは、とかく八方美人になりがちである。他人から非難されるよりはプラスの承認を受けたいと考えるので、当然である。

 ルールさえコントロールできる立場であれば、なおさら、自分の都合を主張する。遠慮がちを装いながら、思いを通そうとする人もいる。

 今日8月12日は、85年にJAL機墜落事故が発生した日であり、私はとくに安全について考えなければならない日と決めている。

 安全のために「2つ以上いいことは同居しない」と主張する著者からは、安全確保の現場にいてこそ実感してきた「安全確保のほんとうの難しさ」が伝わってくる。

 安全はすべてに優先する、ともよく言われる。安全を確保する意識のない者はリーダーシップを取るべきでない、という意味を読み取らなくてはならない。

 「緊急時の訓練は、実際に近いことをやって不具合点を洗い出すために行うべきです。この訓練がうまくいかなければうまくいかないほど、実際の緊急事態にはうまく対処できるようになります。」(前掲書 p158) 避難訓練などに対する心構えを180度変えるような至言である。避難訓練は、いざというときに役立つよう「うまくいくように」行おうとする。それを逆転して、うまくいかない不具合点を洗い出すために、うまくいかないほうがよい、とする著者の着眼は重要である。

 不具合点を洗い出すのが緊急訓練の目的である、との明確な位置づけは安全確保のために不可欠なことである。

 危機や災害に備えること、必要な準備すること、これらのことに真剣に取り組んだ者だけに、神様は安全というプレゼントを授けるのである。

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