2007年5月15日 (火)

科学の進歩

今日、歯医者さんに行きました。

自分の人生(!)を振り返ると、いままでにいちばん集中して歯医者さんのお世話になったのは就職して2年目のことでした。ですから今から25年前のことです。

この歯医者さんは60歳代のおじいさん先生でした。

治療時間が長くて、痛くて、そのころノートに日記を付けていたのですが、100回以上通ったことを覚えています。職場の先輩に相談したら、○○ファミリー歯科に行きなさい、歯医者さんが何人もいて、看護婦を怒鳴りながらやってる、というので、予約を無視して(100回以上通った歯医者さんですから、裏切るようで相当辛かったのですが)、転院しました。

3回で終わりました。毎回治療に2時間近くかかっていたので、歯医者さんによってこんなに違うものかと呆気にとられたことを思い出します。

前歯に虫歯ができてしまっていたので、治療して金属をかぶせると目立つから、セラミックがいいんだ、とその老歯医者先生に勧められましたが、25万円くらい請求されて、目が回ったことを思い出します(自分では支払えず、親に援助してもらいました)。

あれから、25年たった今、この治療した部分が黒ずんでしまい、前歯だけに、何とかならないかと思い続けていましたが、今日劇的なことが起こったのです。

数年前に、知り合いの歯医者さんに相談したときは、前歯だけにこの黒ずみを取るのは難しいと言われていました。

しかし今日のことです。歯医者さんの椅子に座ると、手鏡を持たせられ、この黒いところを治しますがいいですか、と先生が尋ねるのです。

「へっ?」という感じです。

よろしくお願いします、といいながら、25年前の治療時に毎回、麻酔の注射で痛みを耐えたことを思い出しました。

ところが……今日はまったく痛くないのです。

数分して、口をゆすいでください、と言われました。すでに前歯からは、あのセラミック材が外されていました。25万円が……と思いましたが、治療は進みます。

色を合わせてなんだか粘土のようなものを貼り付けて、パチッパチッと焼きながら数分、その後ガリガリと研磨して……この間、一度も痛くない。ちくりともしない。

終わりました。と言われて、手鏡を渡されたとき、劇的な変化に感動しました。

前歯の黒ずみがきれいになくなっている。ここ10数年の悩みが、15分で解決しました。本当に15分。しかも保険診療で1800円。

こんなことが起こるんだ、と顔がゆるみっぱなしになりました。

うれしくてうれしくて。

考えて見れば1980年代に60歳代の老歯医者さんが治療技術を身に付けたのは1940年代、戦後すぐだったはず。

今日お世話になった先生は30歳代そこそこ。治療技術は2000年代というより21世紀のもの。60年近い科学技術の進歩の差がある。

自分自身が40年以上生きてきているわけだから、その自分の人生とともに科学の進歩があるのは当然のことです。

自分が20歳代に受けた治療体験から、今の歯科診療技術のすばらしさに、結果的に目をつぶり続けてきたことになっていたことに気づかされました。

科学の進歩を今日ほど思い知らされたことはありませんでした。

日頃、障害者支援の現場で、精神科治療の50年の進化の歴史に目を向けよう、とは言っていますが、その「進化の歴史」のほんとうのところを自分はまったく気づいていなかったなと、強く反省した今日でもありました。

とにかく

素晴らしい歯科診療に出会えてほんとうに幸せな日でした。

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2006年9月29日 (金)

マニュアルを超えたところに感動がある、そしてその感動を超えたところに……

9月28日に船井総研主催の「情熱経営フェスタ」に参加してきました。私の勤務する施設の職員3名と一緒に参加しました。

心理カウンセラーの衛藤信之先生の話を1時間20分聞きました。この講座は、その話を聞いた船井総研のコンサルタント全員が涙したと聞いていたので、期待はしていましたが、期待以上でした。

どんな内容だったか……。まずその前に来年は横浜での開催が予定されているのでもしもまた衛藤先生が講演されるなら、ぜひ参加して実際に衛藤先生の声を直に聞くことをおすすめします。

心に残った言葉はいくつかありました。

元気になりたければ元気な人のまねをすればよい。元気なふりをすればいい。行為が心を変える、という言葉。

東京ディズニーランドでの感動のエピソード……。

うーん、ほんとうに感動すると、その状況を説明することができないな。

この講演のビデオって発売されるのでしょうか。船井総研さん答えて……。

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2006年2月23日 (木)

体験しないと分からないこと

 私の勤務する施設の職員研修旅行が先月ありまして、GUAMに行ってきました。そこでセスナの体験操縦に挑戦しました。マイクロソフト社のフライトシミュレーターを多少かじったことがあるので、計器類の見方とかは分かりましたが、なんといっても生まれて初めての操縦です。セスナなどの小型飛行機に乗るのも初めてのことです。

 ペダルを使ってのタキシング(地上走行)がまず、なかなか思うようにできませんでした。まっすぐ走らせること、これがなかなか難しい。それからパソコンを使ってのシミュレーターでは「トリム」の感覚が分からなかったのですが、実機でトリムを入れると操縦桿が急に軽くなってトリムの意味がよく分かりました。トリムを使えば上昇下降が楽にできる。実際に操縦してみないとこの感覚は分からないことでした。

 低速飛行やストールの練習もさせてもらえたのですが、ストールは正に「絶叫マシン」ですね。パソコンのシミュレーターでは分からない激しい動きは本当に実機ならのものでした。機の姿勢の回復はたぶんに隣のインストラクターさんがしてくれました。自分で操縦桿を引いた記憶がないからです。

 3000フィート以上なら地上から吹き上げる風の影響があまりないのに、2000フィートより降下すると風の影響が強くなるとか……こういうこともパソコンでは感じられないことです。

 そういえば、以前レーシングカートに乗っていたときも、ゲームセンターにあるレースのゲーム機とはまったく違って横Gに耐える体力がとても重要だと感じたことを思い出しました。車のレースはハンドルさばきなんかじゃなくて、体を支える腹筋とかの筋力がレースの最初から最後までもつかどうかが大切なんです。腹筋がないと「息を止めたまま」力を入れ続けることになり、真夏は特に息を止めながら走っていると体内の酸素が少なくなって脳の動きが鈍くなり、車のコントロールが結局雑になる。F1のドライバーが2時間近くも走り続けるなんで化け物だなあ、とわずか10分くらいのカートレースでばてていた私はため息をつきながら思ったものでした。

 セスナの操縦も、風の影響を受けながら機の姿勢を整えることに夢中になっていていつの間にか耳が痛くなっている、などという感覚は本当に体験してみなければ分からないことでした。

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2006年1月 4日 (水)

友だちだから

 いよいよ新しい年のスタートです。私の勤務する知的障害者施設では、年末年始に帰省されていた方が今日施設に帰ってこられました。お昼ごはんの時に私の前に座った方に「お正月は何をして過ごしましたか」と聞いてみました。

 「友だちいないから」とさびしそうにこたえました。「ゲームセンターとかで遊ばなかったの?」と私。「友だちいないから……」「今までは友だちと遊んでいたの?」

 「友だちが障害者とはあまりつきあいたくない、と言ったんだ」と唇をふるわせながらその方が話しました。「友だちが、障害者と健常者とでは、障害者とつきあいたくないと言ったんだ」「携帯のメールでも同じことを言われた……」と小さな声で話してくれました。

 「どんな気持ちだった?」と私。「殴ってやりたいと思った。でもそんなことしたら、本当に友だちでなくなっちゃうよ。我慢した。」

 「よく我慢できたね」と私。

 「だって友だちだから……」

 一人ひとりにそれぞれお正月の出来事はあったのでしょうが、その方にとって今年のお正月はこうだったんですね。友だちをこれほど大切に思える方に出会えて、私の今年のお正月はうれしくもあり……悲しくもあり……

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2005年12月15日 (木)

自分だけを見て!

 人と会ったときに挨拶をしますね。「おはようございます」「こんにちは」「お世話になります」「さようなら」……。もちろん笑顔で、明るい表情で、張りのある声で、よい姿勢でできたらほんとうに「よい挨拶」になりますね。

 でももっとよい挨拶は「おはようございます」のまえに「○○さん、おはようございます」というように目の前にいる方のお名前をつけるのがよいのです。なぜでしょうか。考えてみてください。

 私の勤務する施設の顧客の皆様は元気がよくて礼儀正しい方が多く、(残念ながら私をはじめ職員が丁寧に教えたわけではないのに)毎朝丁寧にご挨拶してくださいます。なかでも『施設長先生!おはようございます!』という方の笑顔が本当にすがすがしくて心地よく感じます。

 挨拶の前にその方の名前を付けるということは「その方だけを見ているよ」という気持ちの表れです。目の前に大勢の方がいると、つい「おはようございます」と全員に向けて一回で済ましてしまうような挨拶をしてしまいがちです。

 ところが、挨拶の前に名前を付けてしよう、と思うと自然に一人ひとりに目が向くのです。挨拶された人もそのことはきっと感じます。(私もそうですから)

 自分だけを見て! と言外に訴える行動を取る方がよく見受けられますが、挨拶の前に名前を付けるということで、あなただけを見ています、というこちらの気持ちが自然に相手に伝わるのではないかと思います。

 明日の朝から試してみてください。

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2005年11月10日 (木)

妹がよくなって

知的障害の姉妹におこったこと。姉は私の勤務する施設の顧客でした。妹は重度の身体・知的障害でしたが、あるとき精神科医の診察により行動障害の原因に「幻聴」があることに気づき向精神薬を投与したところ、とてもよく改善がみられたとのこと。表情が明るくなりお話も多く出るようになりました。ご家族はとても安心しました。そして姉に「妹もこんなによくなったのだから、お姉ちゃんも頑張ろうね」って励ましました。しばらくすると姉の生活が大きく変わっていったのでした。(つづく)

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