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2010年4月 1日 (木)

あなたは「現場」を知っていますか?

私たちは福祉の現場で働いているので、皆んな現場を知っています。

福祉行政を批判するときに、よくいわれる言葉は「机上の空論」「会議室の理論」などです。

自分たちの働いている職場は間違いなく「現場」です。ところが現場には違いないのですが「自分の職場」に過ぎず、他の福祉の現場をいったいどれほど知っているのでしょうか。

たんに自分の職場を知っていることを「現場を知っている」と表現することに問題はないでしょうか。

現場には、(福祉の業界に限らず)その職場独自の人間関係や社風、文化があります。同じ業界であるならば同様な「作業」が展開するでしょうが、上記人間関係等は職場によって大きく異なるものです。私はいままでに異なる業界4か所に所属しましたが、そこでの作業内容は当然のこと、人間関係等は大きく異なりました。

では、どの福祉現場にも共通するものというものはあるのでしょうか。

自分の働く職場の情況や事情をもとに、どの職場にとっても必要なものは何か、という観点から、それを醸成するために必要なものの提案をしていくことならば可能でしょう。

その提案の方法としては、自分の職場の都合によるものではなく、他の職場の都合を思いやる心から発しなければなりません。自分の職場にとって必要不可欠だと感じることが他の職場にとってどのような意味を持つことになるのかを考えないままに発言し行動することは慎まなければならないことです。

自分の職場・組織の社風・文化・価値観とは異なる(自分を否定するかに見える)文化・価値観に基づく発言・行動をも受け止める器量のある人の発する声が、ほんとうの「現場の声」というものなのです。

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