企業連携のほんとうの意味
9月17日開催のセミナー『企業との連携強化で工賃倍増を実現させる方法』に参加しました。「企業連携」をキーワードに組み立てられた研修でした。
企業連携と聞いてあなたは何をイメージするでしょうか。
ちょっと、考えてみてください。
私もしみじみ感じているのですが、福祉施設が(特に工賃倍増との関連で)企業と連携することをイメージするときの「企業」とは私(あなた)が知っている企業のことになってしまう、ということです。
もしも、福祉と企業との連携をという言葉を目や耳にして「また下請けのことか」とか「企業のCSRは胡散臭いしなあ」などという思い込みがあるならば、それはあなたがまだ本当の(あるいは本物の)企業に出会っていないからです。本物に出会っていないにも関わらず、その極小で貧弱な出会いの体験をもって全体を規定してしまうのは、とても残念なことです。
残念などころか、企業との連携の道を捨て去ることによって工賃倍増が遠退くならば、この考え方は「障害者虐待」の考え方だと私は思います。
いかがでしょうか。
企業との連携を真剣に検討してこなかった自分の今までをつくづく反省しています。そして自分の知らないところで、自分が意識していなくても障害者虐待をしてしまうものなのだという怖さを感じています。
福祉業界内にいるだけでは、もしかしたら本当の企業の力、本物の企業の使命・スピリット(魂)には出会えないのかもしれません。
一歩踏み出すことが必要なのです。
少なくとも「企業との連携」を考え検討するときには、「福祉との連携」を検討・模索している企業人と出会うことが不可欠です。
企業と福祉、福祉と企業、言葉では何とでも書けますが、その中身は見る人によって大きく異なるので、まずは人との出会いを作らなければ、触発・発展・革命は起こらないだろうと思います。
このようなことを強く、思い起こさせるセミナーだったのです。
まさに福祉と企業との両方を対等に目にすることが出来るのがコンサルタントの強みであり、そのコンサルタントの貴重な視点を活用する姿勢が施設長には必要な資質だと思います。
ただし、よいレクチャーであればあるほどよい情報、貴重な情報を得た喜びに満足しがちになるという落とし穴があります。
本当のポイントはその情報や知見を得たあとの行動にあるのです。
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