2009年10月 2日 (金)

企業連携のほんとうの意味

9月17日開催のセミナー『企業との連携強化で工賃倍増を実現させる方法』に参加しました。「企業連携」をキーワードに組み立てられた研修でした。

企業連携と聞いてあなたは何をイメージするでしょうか。

ちょっと、考えてみてください。

私もしみじみ感じているのですが、福祉施設が(特に工賃倍増との関連で)企業と連携することをイメージするときの「企業」とは私(あなた)が知っている企業のことになってしまう、ということです。

もしも、福祉と企業との連携をという言葉を目や耳にして「また下請けのことか」とか「企業のCSRは胡散臭いしなあ」などという思い込みがあるならば、それはあなたがまだ本当の(あるいは本物の)企業に出会っていないからです。本物に出会っていないにも関わらず、その極小で貧弱な出会いの体験をもって全体を規定してしまうのは、とても残念なことです。

残念などころか、企業との連携の道を捨て去ることによって工賃倍増が遠退くならば、この考え方は「障害者虐待」の考え方だと私は思います。

いかがでしょうか。

企業との連携を真剣に検討してこなかった自分の今までをつくづく反省しています。そして自分の知らないところで、自分が意識していなくても障害者虐待をしてしまうものなのだという怖さを感じています。

福祉業界内にいるだけでは、もしかしたら本当の企業の力、本物の企業の使命・スピリット(魂)には出会えないのかもしれません。

一歩踏み出すことが必要なのです。

少なくとも「企業との連携」を考え検討するときには、「福祉との連携」を検討・模索している企業人と出会うことが不可欠です。

企業と福祉、福祉と企業、言葉では何とでも書けますが、その中身は見る人によって大きく異なるので、まずは人との出会いを作らなければ、触発・発展・革命は起こらないだろうと思います。

このようなことを強く、思い起こさせるセミナーだったのです。

まさに福祉と企業との両方を対等に目にすることが出来るのがコンサルタントの強みであり、そのコンサルタントの貴重な視点を活用する姿勢が施設長には必要な資質だと思います。

ただし、よいレクチャーであればあるほどよい情報、貴重な情報を得た喜びに満足しがちになるという落とし穴があります。

本当のポイントはその情報や知見を得たあとの行動にあるのです。

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2009年9月15日 (火)

情熱と「桐一葉」

9月10日、私が勤務する施設の職員3名とともに船井総合研究所主催の「情熱経営フェスタ」(会場:パシフィコ横浜)に参加しました。会場には2千名を超える聴衆の情熱が巻き上がっていました。

船井総研の小山政彦社長の講演に続き、株式会社植松電機専務取締役の植松努氏、株式会社マザーハウスの山口絵理子氏が今回のゲストスピーカーで、船井総研のコンサルタント岩崎剛幸氏がまとめのスピーカーでした。それぞれに強く心に残るメッセージを発してくださいました。

おそらく岩崎氏の「情熱」発案でこの大規模イベントはスタートしてきたのでしょうが「情熱を行動に変える」というメッセージをいまいちばん強く心に響かせられるコンサルタントは岩崎氏ではないかと思います。

その岩崎氏の講座の中で「桐一葉落ちて天下の秋を知る」という言葉が紹介されました。この句は、豊臣政権の五奉行の一人の片桐且元(信長死後に対立した織田家の柴田勝家との賤ヶ岳の戦いで福島正則や加藤清正らと共に活躍し、「賤ヶ岳七本槍」の一人に数えられている)が、淀君に疎まれ解任されたときに、自らの運命を桐一葉の「桐」を片桐に掛けて、また、豊臣政権の行く末を案じての句といわれています。いまでは桐の葉の落葉は落葉樹の中でも早いほうなので、その最初の葉の落葉から秋を知るとは、些細なことから世の中の大きな趨勢を読み取る洞察の大切さに例えられています。

岩崎氏も講座の中では、この句を引用して「シンプル消費」という時代の趨勢の説明をしていました。バブル期を体験した世代の40代(私も含まれます!)と団塊ジュニア世代の30代には大きな隔たりがあり、このことを見逃すと消費者の価値観と企業の価値観が大きくずれてしまう、というのです。

福祉の世界でも、工賃倍増などに広く取り組む中、消費者の性向をどのようにつかんでいくか、は重要なポイントとなるのですが、もしも授産事業の方向性や商品開発のキーマンとなる施設長が40代以上だとすれば、自分の体験や感性をもって努力すればするほど、消費者の価値観とは離れていってしまうことになるのです。それだけにそれぞれの施設・事業所でいま提供している商品・サービスを受け取る消費者は、開発主体である自分と世代が同じなのかどうかを点検する必要があることになります。

そして、もしも自分と異なる価値観を持つ世代が消費の中心となるならば、その違いをどこからつかむのか、つまり「桐一葉」にどのようにして気づくのか、が本当に大切なことになるわけです。

このような消費者の動向をいち早くつかむ努力・実践・継続的改善は、どの企業もし続けているはずです。それでも百貨店業界などはいま実績が前年度比1割以上も落ち込んでいるのが実態です。

大切なことは、福祉業界だからといって、この努力・実践・継続的改善は免責されないということです。施設長が取り組まなければならないのです。自分一人だけでの情報収集・勉強では限界がありますから、効果的な情報収集(そして、一過性の情報収集にとどまるのではなく、継続的な効果をもたらす「人脈づくり」という要素を常に念頭に置きながら)の場に身を置くことが、施設長の資格なのです。

この「情熱経営フェスタ」のゲストスピーカーの植松努氏、山口絵理子氏はそれぞれ社員20名の会社で本業の他に宇宙開発に取り組む実践、アジア最貧国バングラデッシュから「途上国から世界に通用するブランドをつくる」実践を話され、私の勤務する施設職員はその熱いスピーチにいたく感動していました。

岩崎氏は、おそらく「このゲストの二人が「桐一葉」です。この二人の実践からあなたはどのような世の中の大きな趨勢を読み取れますか?」と私たちの洞察力を試しているのだ、と感じました。

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2009年3月 8日 (日)

弱みと強みは同じ

先週は全国社会就労センター長研修会が浜松市で開催されました。その分科会のグループディスカッションでたまたま隣り合わせた方との会話で気づいたことです。

強みと弱みは同じ。

グループディスカッションの終わりで各グループからの発表を聞いていましたところ、自施設の強み弱みを発言されていた内容が、私の感じる強み弱みとは異なっていたのです。

よくあるのは(別に施設運営に限ることではなく、商品販売などにも応用できることなのですが……)「このような不具合がある」「このようなマイナス条件がある」という弱みの発言ですが、おそらく謙遜して発言されていることがあるのでしょうが、その内容は決してマイナスの弱みではない、と感じることです。

今回気づいたのは、実はこのことではなくてその正反対なのです。つまり「これが自施設の強みだ」「自施設にとっての追い風だ」という発言内容が、それを強みだと感じることは危険ではないか……というものでした。

強みと弱みはそのとらえ方、感じ方次第でなんとでも評価できるものなのですが、自分にとって強みだと思い込んでいることが実はマイナス条件だとしたらどうなるでしょうか。

先日出版した『施設長の資格!』の中でも書いていることですが、たとえば「障害者自立支援法をどのように活用できるか」と考えることが大切で、「障害者自立支援法を救世主ととらえられる施設だけに法は明るい日差しを降り注ぐのです」。

本の中では、自分にとってのマイナス条件、マイナス環境にフォーカスするのではなく、自分を取り巻く環境をどのように活用できるか考えましょう、と提案しました。

このことだけでは、不十分だったことに気づいたのです。

自分にとって好条件と感じていることに「落とし穴」が潜んでいる、自分にとってプラス条件、プラス環境のなかに「改善点」を見つける努力を惜しんではならないと強く自戒しました。

自分一人で考え続けることは大切ですが、多くの人の考えに学ぶこともまた大切であり、そのためには費用と時間をかけて研修会へ出かけることが重要だと感じられた時間でした。

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2008年4月12日 (土)

自分がどの点で最高の力が発揮できるか

新年度が始まりました。

私が勤務する施設でも最初の職員会議(今年度からこの会議のネーミングが「パワーアップミーティング」となりました)が開かれ、席上、今年度の経営方針について発表しました。

http://www.meiroh.com/ceo/2008_keiei.html

このパワーアップミーティングの議長を務めた職員が、私の経営方針発表後に、ミーティングに出席している職員に次のように語りかけました。

「自分はどの点で最高の力を発揮できるか、を言ってください」「この経営方針を受けて、この中の項目から、今年は何をどう実践したいのか、言ってください」

プラス発想を引き出す素晴らしい会議の進め方です。そのあとに続く職員の発言も、この議長のスピリットを受けて、自然に良い発言となりました。

……「良い発言」って何? とお考えのあなたに……

笑顔で発言している言葉は、それだけで良い発言です。

改めて自分の周囲を見回してみてください。良い発言はいつも笑顔とともにあります。

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2007年11月 5日 (月)

吹く詩の宴

たのしいイベント企画の情報をてにいれました。

私も参加しようと思います。

▽▽ ここから引用 ▽▽

福祉から“吹く詩”へ「吹く詩の宴」
~今、ここで生きていくということ~

■日時:2007年12月8日(土)9日(日)
■場所:かずさアカデミアホール(千葉県木更津市)
■費用:1日あたり2,800円(2日間参加の方は割引有り)
    1日目終了後に同会場にて懇親会あり(2000円)

木更津で福祉の大革命イベント&セミナー開催します!
しかも参加費も超リーズナブル!!他じゃありえません!!

講師の方々は…
○介助技術のスペシャリスト! 青山幸広氏
○地域共生ケアの最先端! 阪井由佳子氏
○NHKでもおなじみ介護の哲人! 三好春樹氏
など、地域福祉の最先端を行く方々が全国から集結して下さいます!

そして仕掛け人は、小規模デイサービス・宅老所千葉県連絡会代表で、
NPO法人井戸端介護代表でもある伊藤英樹氏

<1日目プログラム>
■僕らを生きさせてくれ!養護児童の自律支援に向けて、熱~い唄声を!!
・響きの杜バンド人力車

■小規模多機能ケア・地域共生ケア」<「宅老所」ってなんだろう?
[シンポジスト]
・宅老所「いろ葉」(鹿児島県)代表 中迎聡子
・民間デイハウス「にぎやか」(富山県)代表 阪井由佳子
[コーディネーター]
・チャレンジセンターLET’Sきさらづ(千葉県)代表 筒井啓介

■生きることが下手な人間集結!!!ビバ“こわれ者の祭典”(新潟県)
・メンバー:月乃 光司・kacco・
      脳性マヒブラザーズ(DAIGO・周佐則雄)・アイコ

■障害とつきあいながら生きるということ
[講師]
・北海道医療大学/浦河べてるの家(北海道)ソーシャルワーカー 向谷地生良
・中核地域生活支援センターがじゅまる(千葉県)所長 朝比奈ミカ
・“こわれ者の祭典” メンバー (新潟県)

■今、僕らにできること、なすべきこと、なされるべきこと
・立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授 立岩真也

<2日目プログラム>
■もうすでに、新しい介護は始まっている~ブリコラージュな生き方
・生活とリハビリ研究所 代表 三好春樹

■21世紀の新しい社会システムづくりと地域福祉
・日本社会事業大学 学長 大橋謙策

■住み慣れた地域で暮らし続けるために…僕らができること!
[パネラー]
・千葉県たすけあい協議会 代表 國生美南子
・小規模デイサービス・宅老所千葉県連絡会 代表 伊藤英樹
・中核地域生活支援センターひなた 所長 渋沢茂
[サポーター]
・全国コミュニティライフサポートセンター 理事長 池田昌弘
・千葉県健康福祉部 部長 小川雅司
[コーディネーター]
・東北福祉大学総合福祉学部 教授 高橋誠一


<ホワイエスペシャルプログラム(1日目)>
その他、ひとり欲セミナーで有名なRX青山こと青山幸広氏による
「スーパー介護術 実技セミナー」も同時開催します!
福祉職の人はこちらも必見ですよ!!

★「ブース出店」のご案内について・・・ 
会場入口(ホワイエ)で、貴方の『お店』を開きませんか?
先着20組様限定。福祉施設の作品展示・販売、介護事業所のPR、
福祉用具展示コーナーの設置、介護相談コーナーなど。
詳しくは、大会事務局までお問合せください!
電話:0438-20-3751 FAX:0438-20-3752
メール:info@npo-cw.net

★開催趣旨
(「“吹く詩”の宴」実行委員会 実行委員長 伊藤英樹より)

昨今の福祉行政および介護現場における行き詰まりは、
決して当事者、福祉従事者( 経営者も含む) 、
福祉行政者の3者において解決できる課題でも、
3者で解決すべき問題でもないと考える。
また、同様に医療、教育、環境といったことについても
同様ではないだろうか。
人的環境及び生活環境といった広く大きな現代的課題は、
たとえ無理があっても、様々な背景や具体的現象を
繋げて考えていかなければ、
それについての正確な理解は無理である。
ゆえに、あえて整理することをせずに、
大風呂敷を広げたような問題提起の仕方はできないだろうか、
というのがこの度のイベントの趣旨である。
ただし、大風呂敷を広げたところで、
隙間だらけの散漫なイベントとなっては、
「繋げて考える」という趣旨からは遠く離れていってしまう。
そこでひとつのメッセージをもってこのイベントを貫く目的としたい。
それは「世の中をよくしたい」ということだ。
よりよき世の中のイメージなんて
千差万別なのは無論承知のことだが、
ある意味それぞれの「よりよき世の中」を
発表しあう場であっても良いと思う。
そんな中から、ほんの少し、相互理解と、
同じ時代を生きるわたしたちの「苦・楽」の感覚の共有が
一歩進めばよいと思う。
よりよき生活、よりよき社会へ向けて・・
趣旨への賛同とご理解をお願いいたします。

参加申し込みや詳細は公式ブログよりお願いします。
http://fukushibanpaku.blog108.fc2.com/

△△ ここまで引用 △△

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2007年6月 4日 (月)

ハッピー実現プロジェクト

私の勤務する施設の欠点は、汚いことでした。職員のだれもが自分の家族をこの施設の利用を勧めたく思わないというのが実情でした。

施設運営の理念は、それなりに一流を目指していて、ISO9001の認証を獲得するなど高度な取り組みに熱心でしたが、足下の掃除ができていなかったのです。

何とかしたくてもだれも何ともしない……このようなことが続いていました。

職員にとってもお客様(利用者)にとっても不幸な事態でした。

当然のことですが、今までに何度も職員会議で、清掃の手順を定めて分担を定めて取り組んできたのですが全く長続きしなかったのです。

先月25日の職員会議で、変化が起こり始めました。

「ハッピー実現プロジェクト」がスタートしたのです。今後この施設では清掃のことを「ハッピー」と呼び、だれもが気持ちよく豊かに暮らし、働ける生活環境を再構築するという目的のプロジェクトに取り組み始めました。

企画提案した職員の「職員の離職の原因も突き詰めると劣悪な職場環境にある」との着目により、プロジェクトの目的と共に目標、期限が定められ、遂行のための組織としくみが作られました。

職務のプロセス化が進むことになりました。

毎朝のミーティングの時に「本日のハッピー担当は○○と□□です。皆さんが気づいているハッピーでない箇所がありましたらこの場で報告をお願いします」という発言がここ数日続いています。

また「月末大掃除」と呼んでいたことが「大ハッピー」と職員の誰もが呼んでくれるようになりました。

組織には、瞬間的な変化というものが、起こりうるのだということを再認識しました。

私の勤務する施設は、劇的に変化しつつあります。

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2007年5月15日 (火)

科学の進歩

今日、歯医者さんに行きました。

自分の人生(!)を振り返ると、いままでにいちばん集中して歯医者さんのお世話になったのは就職して2年目のことでした。ですから今から25年前のことです。

この歯医者さんは60歳代のおじいさん先生でした。

治療時間が長くて、痛くて、そのころノートに日記を付けていたのですが、100回以上通ったことを覚えています。職場の先輩に相談したら、○○ファミリー歯科に行きなさい、歯医者さんが何人もいて、看護婦を怒鳴りながらやってる、というので、予約を無視して(100回以上通った歯医者さんですから、裏切るようで相当辛かったのですが)、転院しました。

3回で終わりました。毎回治療に2時間近くかかっていたので、歯医者さんによってこんなに違うものかと呆気にとられたことを思い出します。

前歯に虫歯ができてしまっていたので、治療して金属をかぶせると目立つから、セラミックがいいんだ、とその老歯医者先生に勧められましたが、25万円くらい請求されて、目が回ったことを思い出します(自分では支払えず、親に援助してもらいました)。

あれから、25年たった今、この治療した部分が黒ずんでしまい、前歯だけに、何とかならないかと思い続けていましたが、今日劇的なことが起こったのです。

数年前に、知り合いの歯医者さんに相談したときは、前歯だけにこの黒ずみを取るのは難しいと言われていました。

しかし今日のことです。歯医者さんの椅子に座ると、手鏡を持たせられ、この黒いところを治しますがいいですか、と先生が尋ねるのです。

「へっ?」という感じです。

よろしくお願いします、といいながら、25年前の治療時に毎回、麻酔の注射で痛みを耐えたことを思い出しました。

ところが……今日はまったく痛くないのです。

数分して、口をゆすいでください、と言われました。すでに前歯からは、あのセラミック材が外されていました。25万円が……と思いましたが、治療は進みます。

色を合わせてなんだか粘土のようなものを貼り付けて、パチッパチッと焼きながら数分、その後ガリガリと研磨して……この間、一度も痛くない。ちくりともしない。

終わりました。と言われて、手鏡を渡されたとき、劇的な変化に感動しました。

前歯の黒ずみがきれいになくなっている。ここ10数年の悩みが、15分で解決しました。本当に15分。しかも保険診療で1800円。

こんなことが起こるんだ、と顔がゆるみっぱなしになりました。

うれしくてうれしくて。

考えて見れば1980年代に60歳代の老歯医者さんが治療技術を身に付けたのは1940年代、戦後すぐだったはず。

今日お世話になった先生は30歳代そこそこ。治療技術は2000年代というより21世紀のもの。60年近い科学技術の進歩の差がある。

自分自身が40年以上生きてきているわけだから、その自分の人生とともに科学の進歩があるのは当然のことです。

自分が20歳代に受けた治療体験から、今の歯科診療技術のすばらしさに、結果的に目をつぶり続けてきたことになっていたことに気づかされました。

科学の進歩を今日ほど思い知らされたことはありませんでした。

日頃、障害者支援の現場で、精神科治療の50年の進化の歴史に目を向けよう、とは言っていますが、その「進化の歴史」のほんとうのところを自分はまったく気づいていなかったなと、強く反省した今日でもありました。

とにかく

素晴らしい歯科診療に出会えてほんとうに幸せな日でした。

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2007年4月17日 (火)

ファン感謝デー

ほとんどの福祉施設・事業所では、保護者会とか家族会とか後援会とかいう組織をお持ちではないでしょうか。

私の勤務する施設でも、年に4回、保護者会・保護者説明会を開催してきました。施設の取り組み方針とか、サービス利用顧客がどのような日常を施設で過ごしているかという現況とか、法律改正・制度改正の説明とかを保護者の皆様に向けてお知らせします。また保護者と施設職員との個別面談の時間を用意したり、一緒に食事をする時間を作ったりもします。

毎年4回ずつ(3ヶ月に一度)開催していますが、法律や制度の改正のこと以外には、なかなか新たな企画を考えることなく、保護者の皆様のお気持ちを伺う場となっていました。

そこで、いままでとは異なる新しい試みをしたいと、リーダー職員に持ちかけたところ、2007年度は「保護者会・保護者説明会」に代えて『ファン感謝デー』を実施することになりました。

保護者は『ファン』なのです。ファンだからこそ、施設の提供するサービスを利用し続けてくれます。また施設を物心両面で支えてくれます。

ならば、施設の職員が総力を挙げてファンに感謝するイベントにしよう、施設の職員がサービス利用者やそのご家族に対して心から感謝していることを、はっきりと伝えていける内容を作り上げていこう、このような方針です。

保護者の皆様の不満・クレームに耳を傾け、丁寧に対処していくことは、とても大切なことですが、それだけでは職員はへこんでしまいます。

いっそのこと、保護者の皆様の喜びの声をたくさん集めることにしよう、としたのです。そのためにはどうしたらよいか……。

まず私たち職員の、保護者の皆様に対する感謝の気持ちを明確に表す必要がある、と考えました。喜びを得たかったら、まず喜びを与えよ、です。

保護者の皆様への感謝の気持ちを「ファン感謝デー」において、どのように表現していくか、どのようにはっきりと伝えていくか、これから約2ヶ月間の準備期間がとても楽しみです。

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掲載されました!

ニュースがあります!

拙文が『知的障害福祉研究 さぽーと2007年3月号』に掲載されました。

3月号で「障害者自立支援法への移行後の施設の状況」という特集が組まれ、その中で「新体系移行は大チャンス」というテーマで掲載されております。p24~26。
ご興味のある方は是非ご覧ください。

月刊誌『さぽーと』購読は、財団法人日本知的障害者福祉協会出版部までお申し込みください。連絡先03-3438-0467(出版部)
年間購読料は6,300円(1部580円)福祉協会会員施設職員は5,000円(1部470円)です。

ニュースです!!

私の勤務する施設の状況が『月刊福祉2007年5月号』に掲載されました。

5月号から「福祉サービス最前線」というシリーズが始まり、その第1回「知的障害者授産施設の新サービス体系への移行」に採りあげられたのです。p58~61。
ご興味のある方は是非ご覧ください。

『月刊福祉』購読は、全国の書店、都道府県社会福祉協議会または全国社会福祉協議会出版部(FAX03-3581-4666 住所氏名と電話番号、購読開始月号と冊数をFAXすれば請求書が届きます)
定価1,020円 定期購読は送料無料。

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2007年1月18日 (木)

工賃倍増計画支援事業

平成19年度予算案の中に「工賃倍増計画支援事業(5億円)」(福祉施設で働く障害者の工賃を平成23年度末までに現在の水準から倍増させることを目標とする「工賃倍増計画」を各都道府県が策定し、同計画に基づく事業に対し補助を実施(事業費:1都道府県あたり1,000万円~3,000万円))の内容が盛り込まれました。

工賃水準の引き上げのための事業として18年度は、授産施設等における工賃実績の報告・公表、利用者負担における工賃控除の「見直し」、工賃ステップアップ事業(経営改善モデル事業)の実施がありました。工賃控除の「見直し」は障害者自立支援法にもとづく新制度のほころびを繕うという意味も含まれています。

「工賃倍増計画支援事業」とは、工賃の月額平均15,000円を30,000円に倍増させる支援事業です。何ができるかを考えていくことは楽しみです。

実は「できない」理由を考えることほど不毛なことはないのです。もちろん職務上、そのことの分析をしなければならないときはあります。しかし事業費が1千万円でどれほどのことができるか。研修会を開くとしても資料代・会場代・通信費で半分、講師料・調査費・報告書作成費で残り半分。都道府県内全域に2~3回程度の開催か、あるいはモデル事業の継続か、その程度のこと「しかできない」……

(できない理由を発言する人の「マイナス精神」は伝播します。だから私は極力、できない理由を見つける人や不満を口にする人から遠ざかるようにしています)

ここは一転して、5億円の予算がついた。この事業で目標を達成するためには何ができるかを考えていきましょう。


さて、工賃の月額平均15,000円を30,000円に倍増させる支援事業に注目しましょうと書きましたが、この事業の目標を正しく読み替える必要があります。

平均工賃を上げるためには、あなたの事業所で何をすればよいのでしょうか。


もちろんそれぞれの事業所の工賃が倍増すれば結果として平均工賃が倍増するでしょう。しかしここはもう少し正確に目標を設定する必要があります。

工賃は障害者お一人お一人が受け取る金額ですが、その工賃をアップするため、と考えると、障害者の能力アップがその前提として不可欠だという壁に当たります。そして「支援をしている目の前の障害者の姿を厚労省の役人に見てもらいたい、このような状態で工賃アップできるはずがない」とか「行政が施設に積極的に仕事を発注しないのだから仕事が増えるはずがない」という隘路に迷い込んでしまいます。

工賃アップの正しい表現は「工賃支払い能力アップ」です。目の前にいる障害者の働く能力が上がらなくても、変わらなくても、高い工賃を支払うことができる能力を事業所が手にするにはどうすればよいか、ということです。

実際、事業所の職員さんのお給料算定の際に「働く能力」あがらないから昇級延伸とかいう事態はないはずです(もっとも今は別の理由で賃金一律カットや賞与なしの事態が各地で生じていますが)。

工賃アップができない理由に「障害者側」の事情をもってくるのはフェアではありません。あなたが一人の労働者であるとして考えてみてください。障害者自立支援法による日割り制とか報酬単価引き下げによって事業所財政が悪化したり(外部事情)、経営者の放漫な姿勢やサービスレベル低下による顧客離れによって事業所財政が悪化(内部事情)
したりしたのに、労働者の能力が上がらないから給料が支払えないといわれたら、どのような気持ちになるでしょうか。

事業所の工賃支払い能力を形成する要素のひとつに「労働者の資質」があるのは否定できませんが、それだけではないはずです。だから、事業所の支払い能力を上げることが大切なことです。

そしてその観点から「目標」を設定する必要があります。事業所の「何」を「どう」するのかが「目標」です。

事業者の現状の何をどのように変えるか、このことが目標です。



事業の目標売上をいくらに設定するか、これが「工賃アップ」のための正しい目標設定方法です。

工賃を収入から経費を差し引いた収益を充てると考えたとしても、工賃を事前に経費化して事業計画を立てるとしても、売上が上がらないことには「結果として」工賃が上がらないからです。

事業所とともに都道府県も考えていただきたいことです。

仮に都道府県に事業所が100ヶ所あったとします。その1事業所あたりの年間売上が250万円だったとします。すると年間2億5千万円です。5年間で5億円にするというのが、この支援事業の目標です。5年間の伸びは一定ではありません。季節変動があるからではありません。事業の伸びには勢いが関係するからです。

飛行機が飛び立つためには離陸のときに一番エネルギーを使います。しかし一度飛び立ってしまえば離陸ほどのエネルギーは必要ないのです。だから、1年目が一番エネルギーを使います。1年目は1千万の伸びでもOKです。1事業所あたり10万円です。250万円売っている事業所が260万円にすることは簡単です。10万円伸ばせた事業所は同じエネルギーで30万円、50万円、80万円と伸ばしていくことができます。

500万円にするという目標があるから260万円という一里塚へ達するのは簡単なのです。しかしその簡単なことでも250万円が限界だと考えている事業所にとっては無理なことになってしまうのです。

さて、この目標を設定したならば、そのために事業所は何をすればよいのでしょうか。達成するために必要なことだけを考えます。

できない理由を考えてならないのです。

工賃倍増は、「そんなこと簡単にできる」と取り組んだ事業所だけが達成できます。支援事業の目標金額を簡単に達成できると取り組んだ都道府県だけが達成できます。

この取り組みは、障害者支援という福祉サービス提供とその質の向上への日々の取り組みとは別物です。

障害者支援の困難な現実によって授産事業の目標を見つけられないまま走り続けている事業者に対する都道府県の支援は、従来のタイプとはまったく別の支援スタイルになるのです。

そのスタイルとは……

1.工賃倍増とは、障害者支援とくに生活支援とは別次元に展開されるべきもの。または生活支援を含めた障害者支援とは別のスキルによって達成できるものであること。

2.具体的な目標は事業の売上金額等、具体的に測定できる指標により設定すべきであること。(指標に平均工賃や工賃を用いると障害者の資質に目がいくので、できるだけ売上を用いること)

3.5カ年の年次計画においては、とくに1年次目の目標を達成するのが一番困難なので、機械的に均等割することなく慎重に目標を設定すること。

4.目標を達成するために必要なことを明確にして取り組むことを奨励し、目標を達成できない理由や目標未達理由の分析にとらわれすぎないこと。

5.都道府県内すべての事業所を包括することを追求しすぎることなく、取り組みたい事業所だけで始めて、あとからの合流を自由に認めること。

6.これらのことを県内各事業所に確実に伝える方策をとること。


このことを実現するためは……

1.事業所の管理者向けに「目標設定」のための講座を実施する。

2.成功事例を評価し合う会合を実施する。この会合には管理者のほかに、職員、利用者(障害者本人)、利用者ご家族が参加する。

3.成功事例の評価の際には、障害者本人、障害者のご家族、職員同士が評価し、事業所職員・施設職員が評価され、表彰されるしくみをとりいれること。

あなたはどのようにお考えになりますか。


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