2011年4月24日 (日)

届くニーズと届かないニーズ

震災が発生した3月11日は『福祉施設関係者のための 第40回店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2011」視察セミナー』を開催していて、東京の会場で地震に遭いました。高層ビルが大きく揺れるのに初めて遭遇しましたが、これほどの未曾有の震災になるとは思いもしませんでした。福岡、長野など遠方からの参加者が無事に帰れるだろうかと心配しながら帰途につき、深夜徒歩で帰宅される方々を多く見ました。

自分の勤務する施設の安否が判明した翌日以降、被災地復興支援と自施設の災害対応力をいかに強めるかを検討する日々が続きました。多くの仲間の施設と協力しながら行動をしてきました。

震災発生から40日あまりが過ぎましたが、自分の周りの生活が平常に近づきつつある一方で、自分の被災された方への復興支援活動が十分であるのかどうかを自問し続ける毎日です。

被災地のニーズに合った支援は何か、という視点で行動をしようとしても日々変わるニーズに迷うことが多くありました。

こちらが提供しようとする(したいと思う)支援については、常にそれを必要とする人と必要としない人がいます。ニーズに合わなければ無駄になります。

しかし無駄になることがあっても必要とする人がいる以上、支援を止めてはいけないと考えています。

と同時に気づいたことは、被災地のニーズとは、被災地においてニーズの情報を発信できる人とこちらがキャッチできた人のニーズであるということです。

ニーズを発信できない人のニーズを「ニーズがない」と思い込む危険を強く感じました。こちらがキャッチできた人のニーズを「被災地のニーズ」(のすべて)と思い込む危険もまたあります。

いつでも届かないニーズがあることを想定するならば、支援活動の組み立て方を仕切り直すことができます。

このような支援は無駄だという結論を出す前に、どのような支援活動にも大きな無駄があり得ることを覚悟する必要があるのではないでしょうか。

効率よりも優先すべきことがある、ことは理解しているつもりでも、自分の支援活動にあり方については、いつのまにか効率優先の判断を持ち込んでしまうものです。この危険性についてもまた考え続けたいと思います。

私たち福祉施設における障害者支援の現場でも「声にならないニーズ」をくみ上げる力が求められています。見えない声、聞こえない声に気づく力こそが福祉のプロに求められているものです。福祉のプロだからこその気づきを持って支援活動を続けたいと思います。

また全国で展開されている震災への復興支援活動を見る中で、さまざまな不具合に気づくならば、そのことをもって自分が働く福祉施設における今の支援に同じような不具合が起こっていないかを点検する必要があります。

震災後の3月29日に開催された「新入社員人財化セミナー」(会場:ホテルメトロポリタンエドモンド 主催:株式会社SYワークス)で佐藤芳直氏は現業を速やかに回復させることの重要性を強調されていました。自らいま置かれている職場での仕事を今まで以上に全うさせることが何より必要であり、被災地仙台に本社を置く同社がまずその範を示されていたのです。私も全く同感です。

この震災に学び、今の仕事に活かさなければ将来の日本に対する責任が果たせません。そのためにいま福祉の現場で考えるべき一つの着眼点が「届くニーズ」と「届かないニーズ」にあります。

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2011年3月 4日 (金)

社会貢献はなぜ必要か

昨年大手サラ金会社武富士が倒産しました。業界一位の会社でしたが、倒産してみれば世間の目は厳しいもので「あれほどあこぎな金利稼ぎをしていたのだから当然だ」というものでした。今年2月になって、創業者の家族に約2千億円が還付されることが最高裁で確定し、またまた波紋が広がっています。

私内藤が80年代に高校教員をしていたときに担当した「政治経済」の授業でも消費者金融を始めとする消費者教育をテーマに採り上げていましたので、見過ごすことのできない現象でした。

本来金融を生業とする「銀行」に相手にされない消費者が経済社会で生きていく上で不可欠とも言えるサービスには一定の存在価値があります。もちろん違法な(あるいはグレーゾーンの)金利で稼ぐことや、度を超した取り立てをすることは社会問題です。とはいえ、一部の消費者にとってはなくてはならないものとなっていたことは事実です。

倒産したこの会社の社員も業界一位であるからには寝食を忘れて仕事に邁進していたことでしょう。自分の仕事の使命として、消費者になくてはならないサービスの提供にその意義を見出していたでしょう。しかし大きな社会問題となりいくつかの法改正を経て過払い金(利息)返還請求が可能になり、会社の経営そのものが成り立って行かなくなったとき、その社員が手にする社会からの評価は本当に厳しいも

のなのです。銀行から相手にされず生活苦に追い込まれた消費者からの援護さえ受けることもできないのです。

では、私たち福祉関係者はいったい世間からどのような評価を得ているでしょうか。

障害者、高齢者に不可欠なサービスを提供していることに間違いはありません。確固とした存在意義は誰にも認めてもらえるでしょう。従事している人にとっても強い誇りを感じられる職場が多く存在します。この分野の先人の業績を垣間見れば、茨の道ともいえる事業を遂行し続けた高邁な意思に誰もが頭を垂れることでしょう。障害者、高齢者の人権や尊厳の確保するために、我が国の制度改革に向けて身を投じてきたその姿勢からは、人間としての信じられないほどの強さや、過去現在未来に続く歴史の進化や共につながる人々への強い信頼感などを感じることも容易にできます。

自分の仕事の受け手である人(消費者)を人間として見てきたかどうかの点において、消費者金融業界の人々とは格段の差があります。

しかし、たとえそうであったとしても、自分の仕事(業務)に一意専心で取り組んできた点において変わりはありません。自分の業務においていかに愛情を込めて情熱を込めて働いたとしてもそれだけでは、自分のお給料のため、自分の会社の持続性のためといわれてしまうのです。

福祉業界に身を置くと、この業界はとても厳しいと感じます。これは紛れもない事実です。しかし福祉業界以外が安泰かといえばそうではありません。自殺者が年間3万人を超える日本の社会において、福祉業界の経営者が経営に行き詰まり自殺したというニュースはほとんど聞きません。もしもこの国の財政が破綻して社会保障費支出が滞ったとき、福祉業界は事業が成り立って行かなくなる事態となるでしょう。そのときに路頭に迷った福祉業界の人々に対して、世間から「障害者、高齢者を食い物にしてきたのだから当然だ」という目が向けられないという保障はないのです。むしろそのように見られると考えるべきなのです。制度が悪いからという言い訳は決して通用しないでしょう。消費者金融界でもそのように言い訳をしてきたからです。

いま私たちは、「障害者、高齢者のために」を掲げているだけでは不十分なのです。繰り返しますが、自分の業務においていかに愛情を込めて情熱を込めて働いたとしてもそれだけでは、自分のお給料のため、自分の会社の持続性のためといわれてしまうのです。

私たちは、人として、大人として、社会人として果たさなければならない義務は何なのかを問い直さなければなりません。自分のお給料のためではないこと、自分の会社の持続性のためではないことにも目を向けなければなりません。本業において誰にも負けない業績を上げることを超えたところにあるもの、それを「社会貢献」というならば、社会貢献を自分の本業以外においても積み重ねることが必要なのではないでしょうか。

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2010年5月 9日 (日)

福祉のマスキー法に挑戦しよう

マスキー法を聞いたことがありますか?

1970年にアメリカ民主党のマスキー上院議員が提案した「1970年大気浄化法改正法案」はガソリン乗用車の一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の排出を当時の10分の1まで削減するという技術的にも厳しい条件を義務づけ、達成しない自動車は期限以降の販売を認めないという内容でした。

自動車の排気ガス規制法として当時世界一厳しいといわれ、クリアするのは不可能とまで言われましたが、日本のホンダがCVCCエンジンの実用化を開発して世界で最初にクリアしたのです。

マスキー法そのものは自動車メーカー側からの反発が激しく74年に廃案となりましたが、排ガス規制自体は徐々に進み、1995年にはマスキー法案で定められた基準に達したのです。日本では、これに先立つ1978年にマスキー法当初の目標どおりの規制が実施されました。

このときのエンジン技術の研究開発が、その後の日本車の燃費向上・環境改善に貢献したことはいうまでもありません。

現在、障害者自立支援法に代わる新しい制度構築に向けた検討が行われていますが、障がい者総合福祉法の整備にあたっては、障がい者権利条約批准のための国内法整備や障害者の労働権保障に関するILO提訴に対する勧告・回答との調整などがその前提にあり、単なる法律改正に留まらず、広い範囲での検討や調整が必要になります。

このことは、福祉制度の構築にあたって従来のように単に福祉事業に携わる側の要請によらない制度設計の時代の到来に違いないのです。

自動車業界が40年前に挑戦した排ガス規制クリアの課題は、当時は誰もがばかげた規制への対応だと考えていましたが、真摯に取り組んだ日本企業がまず橋頭堡を築いたのです。

そしていまではだれもが自動車企業が当然に果たさなければならない責任として見なされています。

私は、これからの障害者就労の課題を考えるときに、このマスキー法が頭に浮かびます。誰もがばかげた規制、ありえない基準、と考えているときに「クリアすべき課題」として取り組み見事にたっいることができた企業が存在したことは歴史が証明しています。

福祉の業界における「マスキー法」とは何でしょうか。

たとえば、福祉施設において働く障害者に労働法規をすべて適用すること。現場ではだれもがありえないこと、と考えています。しかし一旦このことが解決すべき課題となったならばクリアするために真摯に取り組まなくてはなりません。

40年前の自動車と現代の自動車では、私たちの生活上の利便性が大きく異なります。はるかに身近にはるかに快適になっています。

障害者が持つ可能性(現時点では未発揮のエネルギー)が将来私たちの生活にとってなくてはならないもの、莫大な効用をもたらすものに違いありません。

将来の障害者の働く力の総和は、自動車の効用に匹敵するのです。

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2010年4月 1日 (木)

あなたは「現場」を知っていますか?

私たちは福祉の現場で働いているので、皆んな現場を知っています。

福祉行政を批判するときに、よくいわれる言葉は「机上の空論」「会議室の理論」などです。

自分たちの働いている職場は間違いなく「現場」です。ところが現場には違いないのですが「自分の職場」に過ぎず、他の福祉の現場をいったいどれほど知っているのでしょうか。

たんに自分の職場を知っていることを「現場を知っている」と表現することに問題はないでしょうか。

現場には、(福祉の業界に限らず)その職場独自の人間関係や社風、文化があります。同じ業界であるならば同様な「作業」が展開するでしょうが、上記人間関係等は職場によって大きく異なるものです。私はいままでに異なる業界4か所に所属しましたが、そこでの作業内容は当然のこと、人間関係等は大きく異なりました。

では、どの福祉現場にも共通するものというものはあるのでしょうか。

自分の働く職場の情況や事情をもとに、どの職場にとっても必要なものは何か、という観点から、それを醸成するために必要なものの提案をしていくことならば可能でしょう。

その提案の方法としては、自分の職場の都合によるものではなく、他の職場の都合を思いやる心から発しなければなりません。自分の職場にとって必要不可欠だと感じることが他の職場にとってどのような意味を持つことになるのかを考えないままに発言し行動することは慎まなければならないことです。

自分の職場・組織の社風・文化・価値観とは異なる(自分を否定するかに見える)文化・価値観に基づく発言・行動をも受け止める器量のある人の発する声が、ほんとうの「現場の声」というものなのです。

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2009年10月 2日 (金)

企業連携のほんとうの意味

9月17日開催のセミナー『企業との連携強化で工賃倍増を実現させる方法』に参加しました。「企業連携」をキーワードに組み立てられた研修でした。

企業連携と聞いてあなたは何をイメージするでしょうか。

ちょっと、考えてみてください。

私もしみじみ感じているのですが、福祉施設が(特に工賃倍増との関連で)企業と連携することをイメージするときの「企業」とは私(あなた)が知っている企業のことになってしまう、ということです。

もしも、福祉と企業との連携をという言葉を目や耳にして「また下請けのことか」とか「企業のCSRは胡散臭いしなあ」などという思い込みがあるならば、それはあなたがまだ本当の(あるいは本物の)企業に出会っていないからです。本物に出会っていないにも関わらず、その極小で貧弱な出会いの体験をもって全体を規定してしまうのは、とても残念なことです。

残念などころか、企業との連携の道を捨て去ることによって工賃倍増が遠退くならば、この考え方は「障害者虐待」の考え方だと私は思います。

いかがでしょうか。

企業との連携を真剣に検討してこなかった自分の今までをつくづく反省しています。そして自分の知らないところで、自分が意識していなくても障害者虐待をしてしまうものなのだという怖さを感じています。

福祉業界内にいるだけでは、もしかしたら本当の企業の力、本物の企業の使命・スピリット(魂)には出会えないのかもしれません。

一歩踏み出すことが必要なのです。

少なくとも「企業との連携」を考え検討するときには、「福祉との連携」を検討・模索している企業人と出会うことが不可欠です。

企業と福祉、福祉と企業、言葉では何とでも書けますが、その中身は見る人によって大きく異なるので、まずは人との出会いを作らなければ、触発・発展・革命は起こらないだろうと思います。

このようなことを強く、思い起こさせるセミナーだったのです。

まさに福祉と企業との両方を対等に目にすることが出来るのがコンサルタントの強みであり、そのコンサルタントの貴重な視点を活用する姿勢が施設長には必要な資質だと思います。

ただし、よいレクチャーであればあるほどよい情報、貴重な情報を得た喜びに満足しがちになるという落とし穴があります。

本当のポイントはその情報や知見を得たあとの行動にあるのです。

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2009年9月15日 (火)

情熱と「桐一葉」

9月10日、私が勤務する施設の職員3名とともに船井総合研究所主催の「情熱経営フェスタ」(会場:パシフィコ横浜)に参加しました。会場には2千名を超える聴衆の情熱が巻き上がっていました。

船井総研の小山政彦社長の講演に続き、株式会社植松電機専務取締役の植松努氏、株式会社マザーハウスの山口絵理子氏が今回のゲストスピーカーで、船井総研のコンサルタント岩崎剛幸氏がまとめのスピーカーでした。それぞれに強く心に残るメッセージを発してくださいました。

おそらく岩崎氏の「情熱」発案でこの大規模イベントはスタートしてきたのでしょうが「情熱を行動に変える」というメッセージをいまいちばん強く心に響かせられるコンサルタントは岩崎氏ではないかと思います。

その岩崎氏の講座の中で「桐一葉落ちて天下の秋を知る」という言葉が紹介されました。この句は、豊臣政権の五奉行の一人の片桐且元(信長死後に対立した織田家の柴田勝家との賤ヶ岳の戦いで福島正則や加藤清正らと共に活躍し、「賤ヶ岳七本槍」の一人に数えられている)が、淀君に疎まれ解任されたときに、自らの運命を桐一葉の「桐」を片桐に掛けて、また、豊臣政権の行く末を案じての句といわれています。いまでは桐の葉の落葉は落葉樹の中でも早いほうなので、その最初の葉の落葉から秋を知るとは、些細なことから世の中の大きな趨勢を読み取る洞察の大切さに例えられています。

岩崎氏も講座の中では、この句を引用して「シンプル消費」という時代の趨勢の説明をしていました。バブル期を体験した世代の40代(私も含まれます!)と団塊ジュニア世代の30代には大きな隔たりがあり、このことを見逃すと消費者の価値観と企業の価値観が大きくずれてしまう、というのです。

福祉の世界でも、工賃倍増などに広く取り組む中、消費者の性向をどのようにつかんでいくか、は重要なポイントとなるのですが、もしも授産事業の方向性や商品開発のキーマンとなる施設長が40代以上だとすれば、自分の体験や感性をもって努力すればするほど、消費者の価値観とは離れていってしまうことになるのです。それだけにそれぞれの施設・事業所でいま提供している商品・サービスを受け取る消費者は、開発主体である自分と世代が同じなのかどうかを点検する必要があることになります。

そして、もしも自分と異なる価値観を持つ世代が消費の中心となるならば、その違いをどこからつかむのか、つまり「桐一葉」にどのようにして気づくのか、が本当に大切なことになるわけです。

このような消費者の動向をいち早くつかむ努力・実践・継続的改善は、どの企業もし続けているはずです。それでも百貨店業界などはいま実績が前年度比1割以上も落ち込んでいるのが実態です。

大切なことは、福祉業界だからといって、この努力・実践・継続的改善は免責されないということです。施設長が取り組まなければならないのです。自分一人だけでの情報収集・勉強では限界がありますから、効果的な情報収集(そして、一過性の情報収集にとどまるのではなく、継続的な効果をもたらす「人脈づくり」という要素を常に念頭に置きながら)の場に身を置くことが、施設長の資格なのです。

この「情熱経営フェスタ」のゲストスピーカーの植松努氏、山口絵理子氏はそれぞれ社員20名の会社で本業の他に宇宙開発に取り組む実践、アジア最貧国バングラデッシュから「途上国から世界に通用するブランドをつくる」実践を話され、私の勤務する施設職員はその熱いスピーチにいたく感動していました。

岩崎氏は、おそらく「このゲストの二人が「桐一葉」です。この二人の実践からあなたはどのような世の中の大きな趨勢を読み取れますか?」と私たちの洞察力を試しているのだ、と感じました。

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2009年3月 8日 (日)

弱みと強みは同じ

先週は全国社会就労センター長研修会が浜松市で開催されました。その分科会のグループディスカッションでたまたま隣り合わせた方との会話で気づいたことです。

強みと弱みは同じ。

グループディスカッションの終わりで各グループからの発表を聞いていましたところ、自施設の強み弱みを発言されていた内容が、私の感じる強み弱みとは異なっていたのです。

よくあるのは(別に施設運営に限ることではなく、商品販売などにも応用できることなのですが……)「このような不具合がある」「このようなマイナス条件がある」という弱みの発言ですが、おそらく謙遜して発言されていることがあるのでしょうが、その内容は決してマイナスの弱みではない、と感じることです。

今回気づいたのは、実はこのことではなくてその正反対なのです。つまり「これが自施設の強みだ」「自施設にとっての追い風だ」という発言内容が、それを強みだと感じることは危険ではないか……というものでした。

強みと弱みはそのとらえ方、感じ方次第でなんとでも評価できるものなのですが、自分にとって強みだと思い込んでいることが実はマイナス条件だとしたらどうなるでしょうか。

先日出版した『施設長の資格!』の中でも書いていることですが、たとえば「障害者自立支援法をどのように活用できるか」と考えることが大切で、「障害者自立支援法を救世主ととらえられる施設だけに法は明るい日差しを降り注ぐのです」。

本の中では、自分にとってのマイナス条件、マイナス環境にフォーカスするのではなく、自分を取り巻く環境をどのように活用できるか考えましょう、と提案しました。

このことだけでは、不十分だったことに気づいたのです。

自分にとって好条件と感じていることに「落とし穴」が潜んでいる、自分にとってプラス条件、プラス環境のなかに「改善点」を見つける努力を惜しんではならないと強く自戒しました。

自分一人で考え続けることは大切ですが、多くの人の考えに学ぶこともまた大切であり、そのためには費用と時間をかけて研修会へ出かけることが重要だと感じられた時間でした。

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2008年4月12日 (土)

自分がどの点で最高の力が発揮できるか

新年度が始まりました。

私が勤務する施設でも最初の職員会議(今年度からこの会議のネーミングが「パワーアップミーティング」となりました)が開かれ、席上、今年度の経営方針について発表しました。

http://www.meiroh.com/ceo/2008_keiei.html

このパワーアップミーティングの議長を務めた職員が、私の経営方針発表後に、ミーティングに出席している職員に次のように語りかけました。

「自分はどの点で最高の力を発揮できるか、を言ってください」「この経営方針を受けて、この中の項目から、今年は何をどう実践したいのか、言ってください」

プラス発想を引き出す素晴らしい会議の進め方です。そのあとに続く職員の発言も、この議長のスピリットを受けて、自然に良い発言となりました。

……「良い発言」って何? とお考えのあなたに……

笑顔で発言している言葉は、それだけで良い発言です。

改めて自分の周囲を見回してみてください。良い発言はいつも笑顔とともにあります。

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2007年11月 5日 (月)

吹く詩の宴

たのしいイベント企画の情報をてにいれました。

私も参加しようと思います。

▽▽ ここから引用 ▽▽

福祉から“吹く詩”へ「吹く詩の宴」
~今、ここで生きていくということ~

■日時:2007年12月8日(土)9日(日)
■場所:かずさアカデミアホール(千葉県木更津市)
■費用:1日あたり2,800円(2日間参加の方は割引有り)
    1日目終了後に同会場にて懇親会あり(2000円)

木更津で福祉の大革命イベント&セミナー開催します!
しかも参加費も超リーズナブル!!他じゃありえません!!

講師の方々は…
○介助技術のスペシャリスト! 青山幸広氏
○地域共生ケアの最先端! 阪井由佳子氏
○NHKでもおなじみ介護の哲人! 三好春樹氏
など、地域福祉の最先端を行く方々が全国から集結して下さいます!

そして仕掛け人は、小規模デイサービス・宅老所千葉県連絡会代表で、
NPO法人井戸端介護代表でもある伊藤英樹氏

<1日目プログラム>
■僕らを生きさせてくれ!養護児童の自律支援に向けて、熱~い唄声を!!
・響きの杜バンド人力車

■小規模多機能ケア・地域共生ケア」<「宅老所」ってなんだろう?
[シンポジスト]
・宅老所「いろ葉」(鹿児島県)代表 中迎聡子
・民間デイハウス「にぎやか」(富山県)代表 阪井由佳子
[コーディネーター]
・チャレンジセンターLET’Sきさらづ(千葉県)代表 筒井啓介

■生きることが下手な人間集結!!!ビバ“こわれ者の祭典”(新潟県)
・メンバー:月乃 光司・kacco・
      脳性マヒブラザーズ(DAIGO・周佐則雄)・アイコ

■障害とつきあいながら生きるということ
[講師]
・北海道医療大学/浦河べてるの家(北海道)ソーシャルワーカー 向谷地生良
・中核地域生活支援センターがじゅまる(千葉県)所長 朝比奈ミカ
・“こわれ者の祭典” メンバー (新潟県)

■今、僕らにできること、なすべきこと、なされるべきこと
・立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授 立岩真也

<2日目プログラム>
■もうすでに、新しい介護は始まっている~ブリコラージュな生き方
・生活とリハビリ研究所 代表 三好春樹

■21世紀の新しい社会システムづくりと地域福祉
・日本社会事業大学 学長 大橋謙策

■住み慣れた地域で暮らし続けるために…僕らができること!
[パネラー]
・千葉県たすけあい協議会 代表 國生美南子
・小規模デイサービス・宅老所千葉県連絡会 代表 伊藤英樹
・中核地域生活支援センターひなた 所長 渋沢茂
[サポーター]
・全国コミュニティライフサポートセンター 理事長 池田昌弘
・千葉県健康福祉部 部長 小川雅司
[コーディネーター]
・東北福祉大学総合福祉学部 教授 高橋誠一


<ホワイエスペシャルプログラム(1日目)>
その他、ひとり欲セミナーで有名なRX青山こと青山幸広氏による
「スーパー介護術 実技セミナー」も同時開催します!
福祉職の人はこちらも必見ですよ!!

★「ブース出店」のご案内について・・・ 
会場入口(ホワイエ)で、貴方の『お店』を開きませんか?
先着20組様限定。福祉施設の作品展示・販売、介護事業所のPR、
福祉用具展示コーナーの設置、介護相談コーナーなど。
詳しくは、大会事務局までお問合せください!
電話:0438-20-3751 FAX:0438-20-3752
メール:info@npo-cw.net

★開催趣旨
(「“吹く詩”の宴」実行委員会 実行委員長 伊藤英樹より)

昨今の福祉行政および介護現場における行き詰まりは、
決して当事者、福祉従事者( 経営者も含む) 、
福祉行政者の3者において解決できる課題でも、
3者で解決すべき問題でもないと考える。
また、同様に医療、教育、環境といったことについても
同様ではないだろうか。
人的環境及び生活環境といった広く大きな現代的課題は、
たとえ無理があっても、様々な背景や具体的現象を
繋げて考えていかなければ、
それについての正確な理解は無理である。
ゆえに、あえて整理することをせずに、
大風呂敷を広げたような問題提起の仕方はできないだろうか、
というのがこの度のイベントの趣旨である。
ただし、大風呂敷を広げたところで、
隙間だらけの散漫なイベントとなっては、
「繋げて考える」という趣旨からは遠く離れていってしまう。
そこでひとつのメッセージをもってこのイベントを貫く目的としたい。
それは「世の中をよくしたい」ということだ。
よりよき世の中のイメージなんて
千差万別なのは無論承知のことだが、
ある意味それぞれの「よりよき世の中」を
発表しあう場であっても良いと思う。
そんな中から、ほんの少し、相互理解と、
同じ時代を生きるわたしたちの「苦・楽」の感覚の共有が
一歩進めばよいと思う。
よりよき生活、よりよき社会へ向けて・・
趣旨への賛同とご理解をお願いいたします。

参加申し込みや詳細は公式ブログよりお願いします。
http://fukushibanpaku.blog108.fc2.com/

△△ ここまで引用 △△

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2007年6月 4日 (月)

ハッピー実現プロジェクト

私の勤務する施設の欠点は、汚いことでした。職員のだれもが自分の家族をこの施設の利用を勧めたく思わないというのが実情でした。

施設運営の理念は、それなりに一流を目指していて、ISO9001の認証を獲得するなど高度な取り組みに熱心でしたが、足下の掃除ができていなかったのです。

何とかしたくてもだれも何ともしない……このようなことが続いていました。

職員にとってもお客様(利用者)にとっても不幸な事態でした。

当然のことですが、今までに何度も職員会議で、清掃の手順を定めて分担を定めて取り組んできたのですが全く長続きしなかったのです。

先月25日の職員会議で、変化が起こり始めました。

「ハッピー実現プロジェクト」がスタートしたのです。今後この施設では清掃のことを「ハッピー」と呼び、だれもが気持ちよく豊かに暮らし、働ける生活環境を再構築するという目的のプロジェクトに取り組み始めました。

企画提案した職員の「職員の離職の原因も突き詰めると劣悪な職場環境にある」との着目により、プロジェクトの目的と共に目標、期限が定められ、遂行のための組織としくみが作られました。

職務のプロセス化が進むことになりました。

毎朝のミーティングの時に「本日のハッピー担当は○○と□□です。皆さんが気づいているハッピーでない箇所がありましたらこの場で報告をお願いします」という発言がここ数日続いています。

また「月末大掃除」と呼んでいたことが「大ハッピー」と職員の誰もが呼んでくれるようになりました。

組織には、瞬間的な変化というものが、起こりうるのだということを再認識しました。

私の勤務する施設は、劇的に変化しつつあります。

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